一般社団法人まなび考房
代表理事 高所真理子
時代は20世紀の成長社会から成熟社会へと変化し、ITの進化により瞬時に多くの情報がやり取りされる環境では、モノの見方や考え方が多様化し、自立力や情報利活用が重要だということに私たちは気づいています。
しかし、私たちはどこか「未成熟」です。
子どもや若者が主体的に生きる力が大切だと認識しながら完成されたものをただ選べばいいという感覚がどんどん強くなっていく正解主義に走っていませんか。
そうした中、若者と社会に行き違いが生じ、学校を卒業しても社会人としてスタートを切れなかったり、職業観を持たないまま無気力な生活を続けたりといわゆ るニート、フリータ、若者の未就業、早期離職など社会問題化していることはいうまでもありません。
このまま5年後、10年後の日本の社会を想像したとき 「古き良き時代だった」なんて無責任な言葉では終わらせたくない。「いまどきの若者は・・」と批判だけでは何も変わらない。社会の一員として、子を持つ親 として、そして子どもたちが将来希望をもてる社会にすることは私達大人の責務なのではないでしょうか。
ようやくここにきて地域社会や産業界なども積極的に学校教育や若者の人材育成に関わり「キャリア教育」という言葉も浸透してきました。さらに両者のかけ橋的役割を担うキャリア教育コーディネータの育成も推進されてきました。
これまでキャリア教育コーディネータとして私が実感していることは、今の子どもたちは情報や流行に敏感でも、自分で道を切り開いていく実体験や生活体験が 乏しいため、狭い視野の中でしか物事を考えられないということです。また多くの人とふれあう機会が少ないため、多様な生き方や価値観に触れる経験も少なく なっているということです。失敗体験から学ぶことは小手先のテクニックを習うことより実はとても大切なことなのです。
この問題を解決すべく「まなび考房」では、「T・M・C・A」を通して様々な体験や出会った人たちとのつながりや考え方の違いを確認し、自分の将来を考えるイメージ作りと、主体的に行動できる生き方をデザインする「場」を多く提供してまいります。
具体的には大学生を対象とした「初年次教育」と中小企業を対象とした「若手社員育成」です。どちらも入学、入社の早い段階から自分のキャリアについて考える点では共通し、非常に大切な時期と考えています。
昨年の東日本大震災以来「便利さ」=「人の幸せ」ではないことに気づき始めています。そして自分1人ではできないことも多くの力が集まれば実現可能な社会になりうるのです。
「本当に必要なことは何なのか」「伝える側」と「伝わる側」の人間同志のコミュニケーションの難しさ、目の前の情報に違和感を持ち自律的に考えることの大切さなど『チーム研修』を通じて総合的に取組みます。
当活動に参加されて1人でも多くの方に「自分らしい生き方」見つけて頂ければと思います。